「未払残業代」を支払った企業は1,611社
厚生労働省が2019年度に「未払残業代」で監督指導した結果を公表しました。
実際に労働基準監督署が監督指導した企業数は1,611企業で、
その約1割の161企業が1,000万円以上の「未払残業代」を支払ったそうです。
長時間労働が多いと言われている運輸交通業では、
2,692人が何らの支払いの対象になっています。
ただこの数字は「労働基準監督署」が把握している数字で、
弁護士から会社に直接請求している場合は含まれていません。
実際はもっと多くの「未払残業請求」が起きています。
また2020年4月の法改正では残業代請求の「時効」が、
2年から3年に延長されています。
今後はさらに時効を「5年」まで延長するような議論もされています。
出庫前の「点検・点呼・朝礼」は労働時間
今回公表された内容には実際に起きた事例が公表してあります。
運送業に関わる事例では、
「タイムカード打刻前の朝礼と車両点検は労働時間なのか?」
という事例が紹介されています。
ある会社ではタイムカードの打刻前に「朝礼の出席」と、
「車両点検」を義務付けていました。
労働基準監督署の判断は、朝礼も点呼も労働時間。
※任意参加の朝礼などは労働時間ではない場合がありますので、
不安な方は最寄りの労働基準監督所に確認してください。
昔から社内で「労働時間外」と決まったルールも、
最近では法改正などで変わっている事があります。
一度社内のルールを見直してちゃんと労働時間扱いになっているか?
確認してみてください。未払い残業代請求の対策の1つになります。