ドライバーへの「十分な説明」がまず大切
ドライバーの労働時間を「手書き日報」で管理している会社は多いのではないでしょうか。
手書きの日報など自己申告で労働時間を管理する際に「ちゃんと書くように」、
それだけ伝えて終わっていませんか?
厚生労働省は自己申告で労働時間を記録する際のガイドラインを作成しています。
最初に書かれていることは、
「(略)労働者に対して適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと」
説明?それでいいの?と思われるかもしれませんが、
実はとても重要な事なのです。
「労働時間を正しく記録する」「適正に申告する」「残業時は申告する」など、
労働者対して十分に説明を行うことが適切に運用する第一歩だと書かれています。
とくに運送業のドライバーは荷待ちや待機などがある場合に「これは休憩時間」
「この場合は労働時間」など決めて伝えておかないと労働時間が長時間になり、
同時に時間外労働(残業時間)が発生します。
昨今トラブルが多い未払い残業の訴訟もこの管理が不十分なことが原因になりやすく、
正しく記録して申告することをドライバーに説明しておく必要があります。
一度伝えて終わらない。「繰り返し啓蒙」する
ガイドラインの2つめには、
管理者にも「適正な運用をするように十分な説明を行うこと」が書かれています。
「自己申告と実際の労働時間が合っているか確認する」
「間違いがあった場合は必要な労働時間に補正をする」
など、管理者にもドライバーと同じように説明することが書かれています。
そしてもうひとつ、大切なことがあります。
ドライバーや管理者に繰り返し伝え「啓蒙」することです。
一度伝えただけでは正確に覚えることは難しくまた、
もしトラブルになった際に「言った・言わない」など問題が出てきます。
実際に繰り返し従業員に伝えたことで未払い残業訴訟が却下された事例もあります。
(詳しくはこちら https://app-logi.co.jp/column/beneficial/1192/ )
労働時間を「自己申告」で管理する場合はまず十分な説明をドライバーにも、
管理者にもすること。そしてその事を繰り返し伝えることが重要です。
それでも不安な場合は、
いつ・誰に・何を伝えたか「記録」に残しておきましょう。
厚生労働省|労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000187488.pdf