車両停止処分の平均期間が63日→91日に長期化
関東運輸局は「貨物自動車運送事業者」に対する昨年度の行政処分を発表しました。
運送業の処分件数は昨年の296件から287件とやや減少していて、
車両停止件数も昨年の249件から241件とこちらも減少しています。
一方で、
車両停止処分の平均停止日車数が大幅に悪化しています。
昨年の63.4日車から91.5日車と、約1.5倍に悪化。
ほぼ3ヶ月、車両が使えないことになります。
悪化した要因は、2018年7月に改正した行政処分基準です。
運送業の過労死認定件数が多い実態に対して国土交通省が、
過労防止違反に係る車両停止等の処分量定を引き上げています。
今回の結果はこの「過労死防止関連違反」が多かったと発表されています。
「健康診断の受診」と「社会保険等の加入」に注意する
行政処分の改正を発表した資料を確認すると、
運送業の「長時間労働の是正」や「過労死防止」は重要な課題で、
改善指導を受けても改善されない場合や法令未遵守が続く事業所は、
「重点的に監査を実施する」と記載されています。
その具体的な例が、
「健康診断の受診」と「社会保険等の加入」の法令遵守です。
長距離ドライバーが多い事業所では、健康診断の予定調整も大変だと思います。
人数が多い事業所では保険の手続きも大変ですよね。
しかし、
ドライバーの健康診断や社会保険加入は、本人はもちろん会社を守ることにも繋がります。
「今年度はさらに行政処分の件数が増える可能性がある」と言われています。
今一度、自社の健康診断の実施状況や保険の加入状況を改めて確認していただき、
今のうちに100%にされることをおすすめします。