「覆面調査」で営業所では確認できない実態を調査
国土交通省には住宅局や鉄道局など部門ごとに13の「局」があり、
運送や自動車に関わることは「自動車局」の管轄になっています。
今年度の「自動車局」では約617億円の予算が組まれていて、
高齢者運転の事故防止対策や災害時の対策など、
安全対策や環境対策の推進が予定されています。
運送業に関わる施策では、
点呼のIT化や自動運転の推進などの「利便性の向上」の施策に加え、
「監査体制」の強化も発表されています。
重大事故の防止を目的に営業所での監査とは別に、
運行実態を把握するための「覆面調査」の実施がそのひとつです。
バスなどの旅客運送業に対しては覆面調査員が実際に乗車して、
・休憩時間が確保されているか?
・運転者の交代が適切に行われているか?
など運行実態が調査されます。
今のところ一般貨物運送業への覆面調査の発表はありませんが、
旅客運送業と同じように実施される可能性はゼロではありません。
「監査」から「処分」までの期間が短縮
監査体制の強化ではもう1つ施策が発表されています。
「監査」から「処分」までの期間を短縮するというものです。
今まで監査結果の作成や確認を紙ベースで行っていたものが、
タブレット端末を導入して「電子化」されます。
タブレットを端末を使うことで運送会社の営業所から、
本省や運輸局へデータがリアルタイム共有されることで、
処分までの監査業務が効率化され期間が短縮される仕組みです。
今までのように処分が出るまで営業出来ていた期間が、
この施策によって短縮されることになります。
どれくらいの日数が短縮されるかは未発表ですが、
仮に1週間でも稼働できない期間が早まるとその分が損失になります。
働き方改革をきかっけに残業時間短縮をはじめ、
法令遵守が運送業でも年々強まってきています。
長時間労働が問題なのか安全管理が問題なのか?
まずは自社の問題点を考える必要がありますが、
管理者だけでなくドライバーも一緒に取り組むが重要だと思います。
国土交通省|自動車局関係予算決定概要