運送業の40%超が「1日の最大拘束時間」に違反
厚生労働省は運送業に対する、
2020年の監督指導状況を8月27日に発表しました。
2,780の事業所に実施された監督では、
2,263(81.4%)の事業所で法令違反が認められたそうです。
ドライバーの労働時間等の基準が定められた、
「改善基準告示」では1,563の事業所が違反。
違反の中でも一番多かった項目が「1日の最大拘束時間」の違反です。
40%超の1,144の事業所が1日の拘束時間で指導を受けています。
実際に監督指導された事例では、
拘束時間に違反したことによる「時間外労働の違反」や、
残業時間の増加による「割増賃金の違反」など、
改善基準告示以外の違反も同時に指導されるケースが出ています。
運送業の「送検」は過去3年間で最多
今回の発表では監督指導に合わせて、
「送検」の状況も公表されています。
重大・悪質な労働基準関係の法令違反が認められ、
2020年に「送検」された運送会社は46件。
過去3年間で一番多い件数です。
実際に送検された事例を見ると、
「意識障害で死亡事故を起こしたドライバーが、違法な時間外労働をしていた」
「過労死の労災請求のあったドライバーが、違法な時間外労働をしていた」
2つの事例とも「時間外労働」が指摘されています。
「拘束時間」が増えると「残業時間」が増え、
残業時間が増えると「健康問題」が出てきます。
運送業の労務管理では「拘束時間」を改善することで
他の問題も連動して解消される可能性があります。
今一度、自社ドライバーの「拘束時間」が何時間になっているか?
基準を超えていないか?確認する必要があります。
厚生労働省|自動車運転者を使用する事業場に対する令和2年の監督指導、送検等の状況