コラム

運送業の労働環境は「ホワイト物流推進」で改善されるのか?

「ホワイト物流」推進運動では2つの改善を目指している

 

「ホワイトカラー」という言葉が使われ始めたのは、1920年代のアメリカだそうです。

現在では、一般的に働きやすい労働環境を「ホワイト」と表現されるようになり、

働きやすい企業=「ホワイト企業」のイメージを持つようになりました。

 

国土交通省は、長時間労働や人手不足が問題になっている物流・運送業界に対して、

業界の「ホワイト化」を推進しています。2019年4月にはポータルサイトを開設して、

賛同企業名の公表や取り組みを発信。賛同企業は、

①トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化

②女性や60代以上の運転者等も働きやすい「ホワイト」な労働環境

この2つを実現するために、自社で取り組む「自主行動宣言」を国交省に提出します。

 

 

「ホワイト物流」推進運動は、あくまで自主的な取組みを促進

 

「ホワイト物流」推進に参加する企業はまず、

・取組方針

・法令遵守

・契約内容の明文化と遵守

の3つの必須項目に同意します。

その後、自社で取り組む「自主行動宣言」を決めることになるのですが、

自主行動宣言は「物流の改善」や「運送契約の書面化」など6つの推奨項目から、

”任意”で取り組む事を決め「自主行動宣言」として国土交通省へ提出します。

 

これはあくまで「自主的な取組み」であって、国からの進捗チェックは行われません。

自主的な取組みのため、自社で決めた取組みを自社で進捗管理して、

「ホワイト化」を進める必要があります。

また、企業はこの取組みに賛同すると、ロゴやバナーを自社HP等で公表することができます。

(ちなみに補助金はありません)

 

 

運送業界の「ホワイト化」には中小企業の取組みが不可欠

 

現在、「ホワイト物流運動」への賛同企業は978社で、その多くが大企業です。

日本には約63,000社の運送会社があり、そのうち99%を中小企業が占めています。

運送業の労働環境の改善には、この60,000社を超える中小企業の取組みが不可欠で、

運送業界の「ホワイト化」の一步に繋がることになります。

 

ポータルサイトでは、自主宣言で取り組む推奨項目が公開されています。

推進運動への参加に関係なく、一度目を通してみてはいかがでしょうか。

自社の働き方改革の参考になることがあるかもしれません。

「ホワイト物流推進」ポータルサイト https://white-logistics-movement.jp/flow/

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