到着時間ではなく「出庫時間」を指示すること
長時間労働の改善に悩む、運送業の経営者は多いのではないでしょうか。
特に最近は、「未払い残業代」のトラブルについての悩みを聞くことも多くなりました。
長時間労働になる原因のひとつに、到着地での待機時間が長いことがあります。
ここでいう待機時間は、順番待ちの待機ではなく早く到着したときの待機です。
例えば、運行管理者から「○○倉庫に9時までに必ず到着して」と言われたとき、
多くのドライバーが「遅れるくらいなら早く到着して待機しておこう」と考えます。
ベテランのドライバーほど意識が高く、予定より1時間も2時間も前に到着することがあるそうです。
これを毎日、何十人のドライバーがやってしまうと必然的に拘束時間は長くなります。
ドライバーに悪気がなくても「労働基準法」や「改善基準告示」に違反する可能性が高くなります。
つい無意識に運行管理者もドライバーも、到着時間だけに注意が向いてしまいます。
荷主からドライバーに早く来るように言われていないか?
あるドライバーが決まった曜日だけ、いつもより早く出庫していました。
運行管理者がドライバーに聞くと、荷主から「1時間早く来るように」と言われていたそうです。
実は、半年前に言われずっと早く出庫していました。
もちろん運行管理者は知りません。
知らずに1時間分の余裕を持って配車を考えていたのです。
到着時間に限らず、予定にない作業をドライバーが直接言われることがありますよね。
ドライバーから配送先での作業内容を定期的に確認する必要があります。
そのようなことを踏まえて「出庫時間」を明確に指示することが、長時間労働の改善に繋がります。