コロナ禍でも通常通り「監査」を実施
「コロナ禍停滞も監査方針に変更なし」
物流ウィークリーさんの12月7日号の紙面にこんな見出しがありました。
内容を要約するとコロナの影響でドライバーの稼働日数が7割減の運送会社に、
1日の拘束時間が「改善基準告示」の基準を超えていたとして是正指導が行われたそうです。
改めて行政の方針を確認してみると、
コロナで事業運営に影響が出た企業への「支援」にポイントを置くものの、
監査方針の変更はなく長時間労働の「監査」は引き続き行っていくということです。
実際にコロナの影響が本格化してきた今年2月以降の半年間でも、
全国で355件の運送事業所に行政処分が出されています。
年末までにできる運送業の3つの労務対策
1:忘れていませんか?年次有休休暇の取得
2019年4月に施行された「年次有給休暇の取得義務化」
正社員はもちろん10日以上の有休が付与されているパートも、
5日間の有休取得の対象になります。
年末は毎年忙しい運送業でも今年は調整できる日があるかもしれません。
まだ間に合いますので一度カレンダーをチェックしてみましょう。
2:ドライバーの拘束時間は年間3,516時間まで
長時間労働というと1日や1ヶ月の期間で集計されることが多いのですが、
運送業のドライバーは年間の拘束時間の限度が決められています。
ドライバーの1年間の拘束時間は3,516時間です。
「改善基準告示」で決められていますので連続運転や休息期間などと同じく、
罰則の対象になります。
今までの実績と残りの稼働予定日数を計算して、
拘束時間が3,516時間を超えないように調整しましょう。
3:運転者台帳の更新漏れを確認
労務管理=労働時間の管理に注意しがちですが台帳管理も重要な労務管理のひとつです。
特に運転者台帳は一度作って放置してあることをよく見かけます。
新しく採用したドライバーがいれば「初任運転者の教育指導」が記録されているか?
既存のドライバーは運転免許証の期限切れや運転の条件に新しく追加されていないか?
運転者台帳の更新漏れがないか確認しましょう。
冒頭の話に戻りますが、
コロナ禍でも運送業に対しての「監査」は通常通り行われます。
普段は忙しくて手が回らない年間の労働時間計算や台帳などを整理して、
労務監査に備えて対策をしておきましょう。