他社を「優先」させていたドライバー
運送業の長時間労働の改善を見込んで2017年から、
「荷主都合」による荷待ち時間の記録が義務化されています。
対象になるのは、
・車両総重量8トン以上
・または最大積載量5トン以上
・荷主都合で30分以上待機したとき
待機時間や荷積みか荷卸しなどを記録します。
(詳しくはこちら|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/common/001292625.pdf )
この義務化では小型トラックは対象外になっていますが、
対象外の小型トラックでも「待機時間」を把握している会社があります。
その理由は、
「不要な待機時間を意図的に作っていた」ドライバーが過去にいたからです。
待機時間が長ければ労働時間も長くなって「残業時間」も長くなります。
残業時間=残業代を増やすために自分より他社のトラックを優先して、
荷積みや荷卸しを行っていたのです。
「待機時間」はほぼ間違いなく労働時間になる
以前の記事でも紹介していますが、
待機時間はほぼ間違いなく労働時間になってきます。
(残業代訴訟で会社側の主張が認められるには| https://app-logi.co.jp/column/beneficial/1803/)
対策のポイントは「休憩時間」と「待機時間」を分けて管理することです。
待機中を「休憩時間」扱いにすると労働時間を”違法に減らした”と、
解釈される可能性があるので休憩は休憩。待機は待機で分けて把握する必要があります。
また、
もしも未払い残業代の訴訟が起きた場合などには、
他のドライバーと比べて特定のドライバーだけが「異常に待機時間が長い」など、
会社側の主張が認められやすい情報を出せる可能性もあります。
不正をするドライバーばかりではないとは分かっていても、
実際に起きてしまうと時間管理の強化が必要になってしまいます。
すぐに管理の強化が難しい場合には、
「不正な労働時間」は就業規則違反などドライバーにとって、
デメリットになることを伝えるだけでも抑止力になるはずです。