コラム

他社はどれくらい?運送業ドライバーの労働時間

厚生労働省の調べでは運送業のトラックドライバーの労働時間は、全産業より月間で40時間多いと発表されています。
実際のところ、ドライバーの労働時間はどれくらいなのでしょうか?

 

■ちゃんとやっている会社でも、全体の12%のドライバーが月間320時間を超えて働いていた!
運送業のドライバーの拘束時間は、1か月で原則293時間です。

改善基準告示で定められていますね?

でもこれは結構大変なので、320時間まで延長することができます。
(ただし、年間に6回までです!)

 

ところで、その延長した1か月の上限320時間を超えているドライバーは、どのくらいいるのでしょうか?

先日、ある運送会社の社長と話していたところ、拘束時間が320時間を超えているドライバーは、

50名中6名で全体の12%いました。。。

 

この会社は、きっちり管理をしておられる企業なのですが、それでも1週間に一回の長距離運行があると

ドライバーが長時間労働になってしまう傾向が強くなります。

普通に業務を行っていたら、とんでもない拘束時間になってしまうことが改めてわかりました・・・

残業手当になおすと、これもとんでもない金額ですね。

 

■年間の行政処分はなんと約300件超!

関東運輸局は約400台を保有するA社の、事業許可を取り消し処分にしました。

A社は長時間労働をなかなか是正することができず、1か月で240時間を超える時間外労働が発生し、

これが行政処分のきっかけとなったようです。

 

240時間の時間外労働というと、

休日労働が4日間とすると、4日×15時間=60時間
平日の残業を計算してみると、240時間―60時間=180時間
これを27日で割ってみると、毎日約6時間の残業です!これはすごい・・・・

 

行政処分になる事項には様々な違反がありますが、時間等に関係する違反をまとめてみました。

・未遵守5件以下:警告
・6〜15件:10日車の車両停止
・16件以上:20日車 〃
・31件以上(または3名以上の違反):30日事業停止

上記の行政処分は初違反の場合です。

再違反になると、初違反にくらべてなんと約2倍厳しい処分が下されます。

また違反点数制度は「累積」方式で、3年間累積されるため注意が必要です。

(安全性優良事業所(Gマーク)と2年間無事故無違反の事業所は2年で消去されます)

 

なんとも、運送業は大変な法律に取り巻かれていますが、

正面から向き合わないといけないことは間違いありませんね・・・

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