前回のコラムでは、「運送業の給与DX」の続編をお話させていただきました。給与モデルのベースとなる「時間系データ」と「出来高系データ」を集める際、毎日管理できる、もしくは記録できる項目が必要です。給与は間違えることができないのはもちろんのこと、正確なデータでなければいけないからです。根拠となる数値は測ることができる内容で、かつ毎日管理・記録できる項目をピックアップすることが良いでしょう。月末が大変になりますからね。
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今回のコラムは「運送業の給与DX③」として、給与モデルのベースとなる、データを取得するためのデジタルツールやデジタコをうまく使うためのステップについてお話ししていきたいと思います。

良い機器を導入しても使っていなければ意味がない
運送業でもっとも身近なデジタル機器といえば、デジタルタコグラフ、いわゆるデジタコでしょう。チャート紙をトラックのメーター付近の機器にセットし記録する、アナタコからほぼこれに代わりつつあります。そのデジタコですが、「積込」・「荷卸」・「待機」・「休憩」などのボタンを押下することにより、どこで、何をしていたのかが記録できるだけではなく、ドライバーが毎日かかないといけない運転日報も出力できるというすぐれものです。しかし、デジタコを装備している会社の約半数はまだ手書きの日報をあわせて作成しているとも聞きます。そうであればなぜなのでしょうか。
記録の改竄のために手書きにするという例はさておき、押さなければいけないタイミングでボタンを押せていないため正確な記録が取れていないことが原因のようです。ちゃんとした内容の日報にするためには手書きの日報が必要ですから、なるほど、これはあまりにも残念な話です。
これは運行管理のスマホアプリなどを活用する場合でも同じです。結局のところ、記録することができなければ、どれだけ良い機器を導入しても意味がありません。
しかし、もともと機械操作が苦手、手書き日報の方が便利だと感じているなど、中々ボタンを押せない人がいらっしゃるのも理解はできます。しかしそれでは給与のベースとなる運行データがDX化できないことには、給与DXが遠くなってしまいます。やはり活用をすすめなければいけません。
いきなりフル活用は難しい。成功にはステップ化が必要
デジタコのすべての操作を、的確なタイミングで行うことを100人中100人にいきなり求めることは難しいので、まずは2週間、「出庫」→「休憩」→「帰庫」の操作だけを続けてもらうことをお勧めしています。当然その間は実際の運行が記載されている手書き日報は必要となります。これが確実にできるようになったら、次の2週間で確実に休憩時間を10分以上の休憩を合計で60分以上とれるようにしましょう。10分以上でないと休憩と見做されないので、このルールを理解してもらうためにもこのステップは必要です。
ここまでできれば、拘束時間と労働時間はしっかりと記録できたことになります。ここからやっと「積込」「荷卸」ボタンの活用になります。このボタンを押すことができれば、運転日報を書かなくてよくなりますから、ドライバーにとってメリットが出てきますね。
今は、アナログとデジタルの境目の時代です。デジタル機器に不得手な人もいれば得意なひともいます。最終的にはすべての人が活用できるようにシンプルにつくられていくでしょうが、なにはともあれ慣れは必要です。慣れるためには人に合わせたステップが必要ですね。これは給与DXのためのステップでもあります。
こちらでもこの記事を掲載しています。
大塚商会:運輸・配送にかかわる企業が取り組むべきDXの具体策 第61回
https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/logistics-dx/transportation-salarydx3.html
