前回のコラムは、米国のドライバーの時間管理に関連して、アメリカのデジタコの概要についてお話させていただきました。 デジタコの正式名称は「デジタルタコグラフ」といいデジタル運行記録計の英語表現です。 アメリカでは「ELD(Electronic logging devices)」(電子ログ記録装置)という表現をされています。 より運送業界のデジタル化が進み、アメリカ規格、ヨーロッパ規格をどんどん取り入れるようになってきたら、日本でもELDとカッコよく呼ばれるかもしれませんね。
https://app-logi.co.jp/column/?p=7773&preview=true
今回のコラムは、引き続きアメリカと日本のドライバーの時間管理の違い③として、まとめをさせていただこうと思います。

運行管理はアメリカと同等レベルのものが求められるように
アメリカの(長距離)ドライバーの時間管理に関してのまとめです(私の所感が含まれています)。
・事業用トラック全車にデジタル運行管理記録が義務付けられている。
・「ここから罰則」という線が引かれて、ルール遵守目標ではなくルール死守である。
・ドライバーがデジタルツールを使って自分自身で労務管理を行う。
といったところでしょうか。
アメリカでは時間外労働の対象となる従業員に対しては、非常に細かく労働時間が管理され、それに対して賃金が支払われます。 対価=時間であると捉えてよいでしょう。そのため時間に対して権利も義務も発生し、厳しく管理されることになります。 しかしアメリカでも運送以外の業種に対しては厳しい法律が規定されていますが、長距離トラック運送においてはドライバーが一人で業務を行うことが多く、業務時間の管理が徹底されていなかったようです。
具体的には、
・アメリカでも運転手の業務時間の記録は紙で行われており、業務時間の管理が徹底されていなかった。
・結果として特に長距離のトラック運転手は時間どおりに貨物を届けるため、十分な睡眠や食事が取れない状況下で労働していたことが明るみになった。
・労働時間申請の不正が多く、貨物輸送時の際に起こった交通事故の原因としては「勤務時間の長さ」や「安全な運転に必要な休養や休憩時間が取られていない」ことなどが指摘されていた。
そういったことから他の業種と同じように運送業へも厳しく管理される法整備がなされ、2019年12月にELDの設置の義務化が施行されたという流れになります。
今はELD装置の導入により、エンジンの稼働に応じて、運転手の業務時間が自動的に記録されることになっています。
日本の2024年問題と同じような状況です。やはりトラック輸送は経済の大動脈なので急な規制は悪影響を及ぼすと捉えられたのかもしれません。
両国ともに言えるのは、運送業の最も重要なポイントは時間だということ。 考えてみると運送サービスを提供する際、元となる材料は、距離と物量とそして時間です。 この時間がしっかりと決まっていないためにキツイ仕事になっているとも言えます。安い運賃でも対応できるために時間でカバーする、この流れを変えるときが来たのでしょう。これは先駆者であるアメリカの市場が説明してくれそうです。
こちらでもこの記事を掲載しています。
大塚商会:運輸・配送にかかわる企業が取り組むべきDXの具体策 第58回
https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/logistics-dx/differences-usa-japan3.html
