前回のコラムは、結局のところ、「時間外労働制限」、「改善基準告示」等、確実に法を遵守するためには、ドライバーが法を理解していなければ守れないというお話でした。 法について、事務所は理解しているけど、ドライバーが理解していない(伝わっていない)運送会社がとても多く、ドライバーは一生懸命運行しているのに違法な運行をしていたという結果になっていることがあります。 法律を労使ともに理解し、業務を行うことが対策の第一歩です。伝えられていない管理者の皆様は伝わるまでしつこく話しましょう。
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さて今回は、米国のドライバーの時間管理についてお話させていただきたいと思います。

日本とアメリカの運行管理の法規制
まずは日本とアメリカの運行管理の法規制の比較をしてみましょう。
| 日本 | アメリカ | |
| 拘束時間 | ・1日(原則):13時間
・1日(最大):16時間 (15時間超は週2回まで) ・1ヶ月 :293時間 ・1年間 :3,516時間 |
・1日:14時間
(運転可能な時間枠) ・8日間の勤務時間:70時間 (会社が毎日稼働の場合) ・7日間の勤務時間:60時間 (会社が毎日稼働ではない場合) |
| 運転時間 | ・1日:9時間(2日平均)
・1週:44時間(2週平均) |
・1日:11時間 |
| 連続運転時間 | ・連続運転時間4時間に対して 30分の中断
(10分以上/回で分割可) |
・連続8時間運転した場合30分の中断 |
| 休息期間 | ・継続8時間以上 | ・連続10時間 |
| 休息期間
分割休息の特例 |
・休息期間合計:10時間以上
(継続4時間以上/回) (一定期間における全勤務回数の分の1) |
・最低2時間、7時間で分割可
・合計10時間 |
厚生労働省:自動車運転者の労働時間等に係る海外調査結果より抜粋
国土の広さ、道路状況、運行距離、様々な点で違いがあるので単純に設定数値だけの比較はできませんが、一日の長さと人間の健康リズムは変わらないので考え方は同じで良さそうですね。
特徴として、アメリカは一日の最大拘束時間は14時間と日本より短いが、一日の運転時間は日本より長いと見てとれます。
日本とアメリカ、どちらのルールが厳しいのか
拘束時間を比較する際に、日本では「原則」「最大」と2段階設けられているところに対しアメリカは設定が一つというところ、また、運転時間は日本では2日平均、アメリカでは1日といった尺度の違いがあるので、どちらが厳しいとかいう単純な比較はできません。しかしアメリカのルール設定には考え方の厳しさを感じます。
拘束時間ひとつをとってみても感じます。 例えばアメリカは14時間経過するとそれ以上働くことはできません。違法状態になります。 日本の場合は、拘束時間が原則13時間と、最大拘束時間16時間と設定されていますから、頭の中では13〜16時間と想像されていそうです。 原則13時間と決められているのだから、本来、13時間経過するとそれ以上働くことはできないといいたいところですが、実はあと3時間働けると思ってしまいます。
これは日本のトラック運送事業の実情を鑑みた上で配慮された設定だと理解できますが、実際に運用しようとすると16時間の方に照準を合わせて運行計画を立ててしまう会社も多いようです。
アメリカのようにはっきりと時間が決まっていれば、「ここから罰則」という線が引かれて、ルール遵守目標からルール死守に変わると思うのですが、現状を考えて見ると違反者だらけになりそうなので難しそうです・・
こちらでもこの記事を掲載しています。
大塚商会:運輸・配送にかかわる企業が取り組むべきDXの具体策 第56回
https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/logistics-dx/differences-usa-japan1.html
