前回のコラムでは、2024年問題のシミュレーションについてお話させていただきました。 今年(2023年)は、実際に一年間を通して試行錯誤することができる最終ラウンドとなり、実際に960時間に収めることができるかどうかの実施検証をする年になります。 「そもそも無理だ」「監査が来てから考えよう」は通用しない前提でものごとを考えたほうが良さそうです。 運送業以外の一般業種にすでに適用されているものですし、協会や団体の決め事ではなく法律ですから、そもそも回避できるはずもありません。行うことは多くあります。 賃金規定の見直し、荷主との業務・料金の交渉、労働時間の管理体制の見直し、ほとんどの運送会社で実施する必要があります。
この最終ラウンド、ぜひできるイメージをもって取り組んでいただきたいと思います。
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さて今回のコラムは、全日本トラック協会から発表されている働き方改革アクションプランの内容に沿って、運送業界の現状を改めてつかんでいきたいと思います。

時間外労働 年間960時間を超えるドライバーがいる事業所の割合は全体の27.1%(2021年度調査)
2020年度と2021年度に、全日本トラック協会で行った調査結果では、年間960時間を超えるドライバーがいるかどうかを尋ねたところ、2021年度の調査結果では「いる」の比率は全体の27.1%だったようです。
ちなみに、ドライバー以外の一般労働者(倉庫作業員など)は年720時間が上限となりますが、これを超える労働者がいるかどうかを尋ねたところ、「いる」の比率は全体の13.8%だったようです。
運輸・倉庫のくくりで見たときにも、ドライバーという職業の労働時間がいかに長いかが想像できます。
この調査の回答事業者の保有車両規模は、
集計対象数727事業者のうち、20両以下が30.9%、21〜100両以下が51.9%、101両以上が17.2%とかなり現実的なサンプルから集計されているので、とても実態を表した調査だと思います。
このデータでさらに2泊3日以上などの長距離運行がメインの企業だけをサンプルに調査するとさらにすごい集計結果になりそうです。
年次有給休暇年間5日以上取得できている運送事業者は全体の82.4%(2021年度調査)
想像していたより優秀な結果となっています。調査全体の82.4%の企業で5日以上、有給休暇が取得できているとのことです。逆に捉えると残りの17.6%の有給休暇が取得できていない企業にはいると、採用など待遇面でマイナスポイントとなってしまいます。残業時間だけではなく有給休暇についても取得できる体制をつくっていかなければいけません。
他社は積極的に対応しはじめていると捉えるべき
運送事業者の経営者様と、本テーマについて話していると、方向性が大きく2つに別れます。 働き方改革には対応できないものとして思考を停止させているパターンと、きちんとできていることを強み・差別化要因として捉えて採用を強化、売上を拡大しようとしている場合、これは大きな差です。仕事を発注する側としても、就職を希望する側としても、安全・安心・安定した職場で働きたいというのは誰しも前提で考えますから、これに対応するのは企業としてマストということになります。
繰り返しですが、まだ遅くはありません。十分間に合うと考えて取り組んでいただきたいと思います。
こちらでもこの記事を掲載しています。
大塚商会:運輸・配送にかかわる企業が取り組むべきDXの具体策 第45回
https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/logistics-dx/actionplan-workstyle-reform.html
