①:点呼簿を「出勤簿」の代わりにすること
運送業は「車両台帳」「点検表」「運転日報」など、
他の業種に比べてたくさんの帳票を管理しなければいけません。
その中でも「点呼簿」は毎日使う使用頻度の高い帳票です。
点呼簿では運転者名や車番・点呼の日時などの記録が残り、
一見すると「出勤簿」の代わりになりそうです。
しかし、点呼簿はあくまで「点呼」管理がメインです。
勤怠管理には「出勤日」はもちろん「休日」の管理も必要です。
また、2019年以降は「有給休暇」の取得義務化により、
「有給日」の管理も必要になりました。
点呼簿ではこの「休日」や「有給日」を、
管理する項目がありません。
仮に項目があっても1日1枚の点呼簿では、
日数を数えることも大変です。
「出勤簿」を作って管理するようにしましょう。
出典|厚生労働省:年5日の年次有給休暇の確実な取得 https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf
②:2週間に休日労働を「2回」させること
ドライバーの労務管理と言えば「拘束時間」や
「運転時間」など時間に関わる話題をよく聞きます。
実はあまり話題になることが少ないのですが、
ドライバーの「休日労働」には限度が決められています。
「改善基準告示」で決められていて、
休日労働は2週間に1回が限度です。
また「労働基準法」にも休日の決まりがあります。
労働基準法では少なくとも毎週1日の休日か、
4週間を通じて4日以上の休日が必要と決められています。
管理が大変ですが「改善基準告示」と「労働基準法」の、
両方とも遵守しなければいけません。
出典|厚生労働省:改善基準のポイント P.8
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-10.pdf
③:1日(24時間)休んだ日を「休日」にすること
最後に「休日」の条件についてです。
運送業のドライバーは一般の業種にはない、
「休日」の取り扱い基準が決められています。
ドライバーの休日は、
「休息期間+24時間の連続した時間」と決められています。
・通常休息の場合は「休息8時間以上」+「24時間」で32時間以上。
・分割休息では「休息6時間以上」+「24時間」で30時間以上。
合計の時間は30時間時間を下回ってはいけない、と決められています。
ドライバーの勤怠管理は沢山のルールあり複雑です。
さらに今後は「時間外労働の上限規制」も加わり、
今以上に管理が大変になってきます。
「出勤簿」の作成してちゃんと運用できるようにするなど、
今のうちに勤怠管理できる体制を整えておきましょう。
出典|厚生労働省:改善基準のポイント P.5
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-10.pdf