「労働時間」は1分単位で把握しなければならない。
今では当たり前のように聞くようになった「働き方改革」は、
2019年に施行された「働き方改革関連法」が起点になっています。
ご存知のとおり残業時間の上限規制や、
年5日の有給休暇が見直しされたときです。
実は同じタイミングで「改正労働安全衛生法」が施行され、
労働時間の「状況の把握と記録」が義務付けられました。
まず記録する方法については、
タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録による方法
出勤簿に判子を押すだけの記録や、
数日分をまとめて事後報告するような記録はNGとされています。
そしてどの程度、正確に時間を記録するかというと、
労働時間は1分単位で把握しなければならない
15分単位(切り捨て)などはしてはいけないとされています。
労働時間を計算する上で重要な「始業・終業時刻」は、
1分単位で正確に把握・記録する必要があるということです。
出典:厚生労働省|東京労働局:働き方のルール(P.7)
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000626474.pdf
ドライバーに「到着時間」だけを伝えるのは危険
運送業の2024年問題では「残業時間」が一番のポイントです。
そのため今から残業時間を減らそうと考えている、
運送会社も多いのではないでしょうか。
ただ拘束時間や休息期間など「改善基準告示」の管理は、
今までどおりに管理が必要です。
怠ると行政処分の対象になる可能性があるからです。
例えば、よくある会話で「明日◯◯時には到着しといてね」と、
到着時間だけを伝えることがありますが注意が必要です。
というのも、
人によって30分前に到着しようとするドライバーもいれば、
2時間前に到着しようとするドライバーもいます。
「到着時間」だけ伝えていると「出発時間」が自由になり、
その結果、労働時間が長くなってしまいます。
また、前日の出勤時間より早く出勤すると、
「拘束時間の重複」が発生して改善基準違反になる可能性もあります。
(詳しくはこちら→厚生労働省:改善基準のポイント(P.4)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-10.pdf
ドライバーの労働時間を正確に記録することはもちろん、
運行指示の伝え方も見直してみましょう。
思いの外、労働時間の短縮に繋がるかもしれません。