点呼時間を「出退勤時間」にしてはいけない。
運送業では様々な管理業務がありますが、
監査でも必ず確認される重要な項目のひとつが「点呼」です。
「点呼」は運送業の安全管理に欠かせない業務のひとつで、
ご存知のとおり原則、対面で行う必要があります。
酒気帯びの有無や疲労状況など確認する項目が色々とありますが、
今回は「時間」の取り扱いについて注意点です。
稀に点呼時間=出退勤時間として、
管理されている話を聞くことがありますがこれは間違いです。
出勤して退勤までの流れは、
【出勤】→日常点検→乗務前点呼→出庫→(中間点呼)→帰庫→乗務後点呼→【退勤】
乗務前点呼の前には必ず「日常点検」があり、
退勤の前に「乗務後点呼」がありますので、
点呼時間=出退勤時間にするのは間違いです。
※出典|全日本トラック協会:運行管理業務と安全マニュアル
P28(3)1「乗務前点呼における確認・指示事項」より
https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/publication/unkou_kanrigyomu_anzen_manual.pdf
残業時間の管理には正確な「出退勤時間」が必要。
冒頭の「点呼時間」と同じ考え方ですが、
出庫・帰庫時間を「出退勤時間」にすることも間違いです。
もうお分かりと思いますが、
出庫前には「乗務前点呼」
帰庫後には「乗務後点呼」
があるからです。
もし出庫・帰庫時間を「出退勤時間」にしていると、
「点呼をしていません」と言っていることになります。
2024年問題では「残業時間」の管理が必須で、
残業時間の計算には正確な「出退勤時間」が必要です。
自社の労務管理に「出退勤時間」がない場合は、
すぐに項目の追加が必要です。
また、記録する時間は1分単位が原則です。
未払い賃金などトラブルになる可能性があるので、
出退勤の時間は1分単位で記録するようにしましょう。