コラム

運送業の2024年問題:第13回|分割休息の注意点

分割休息は全勤務回数の1/2までが限度です

 

運送業(トラックドライバー)には他の業種にはない、

特別な労務管理をする必要があります。

そのひとつが「休息期間」の管理です。

 

休息期間とは仕事が終わって(終業)から、

次の仕事を始める(始業)までの間のことを言います。

休息期間は労働時間ではないので、

多く取得できれば労働時間(残業時間)の短縮にも繋がります。

 

休息期間(終業から始業)の間は原則11時間以上、

短くても8時間以上の継続した時間が必要です。

ただ、交通渋滞や荷主の都合によって計画通りに、

11時間や8時間の休息が取れない場合があります。

そこで例外的な措置として「分割休息」が認められています。

 

分割休息では1回4時間以上で合計10時間以上なら、

休息を分割してもいいというものです。

4時間+6時間=合計10時間や、

5時間+5時間=合計10時間などが可能です。

(※始業から24時間以内に収める必要があります)

 

ただ、分割休息は特例の措置です。

原則2週間〜4週間程度(約1ヶ月)の、

勤務回数の1/2が限度になっていることに注意が必要です。

 

 

分割休息の前後には「点呼」が必要

 

少し話題が変わりますが、

1日の点呼では「乗務前点呼」と「乗務後点呼」が必要です。

(長距離の場合は中間点呼も必要)

 

冒頭でも説明しましたが、

休息期間は労働時間ではありません

分割休息も同じで労働時間には含みません。

 

ということは一度仕事を終了することになるので、

分割休息の開始時と終了時(仕事を再開するとき)には、

「点呼」が必要になります。

通常の休息を取る場合よりも「分割休息」を、

実施した場合の方が点呼の回数が多くなります。

 

 

今後の2024年問題などドライバーの労働時間や、

残業時間の短縮に「分割休息」が有効な場合があります。

一方で「分割休息の実施回数」を管理したり、

「点呼」を実施したりと管理業務も増えていきます。

 

ドライバーの健康や安全管理の面も考慮しながら、

自社にあった「分割休息」の運用を考える必要があります。

 

 

 

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