残業を年960時間に収めても「過労死基準」を超えることがある
運送業2024年では「残業時間の管理」が一番ポイントです。
ご存知のとおりドライバーの年間の残業時間を、
960時間以内に収める必要があります。
ただ、この「960時間」は年間合計の基準です。
月平均で80時間が目安になりますが、
月間の上限に制限は設けられていません。
残業時間が60時間でも90時間でも、
今もところ「残業時間の上限規制」の違反ではありません。
一方で注意が必要なのが「安全配慮義務」です。
例えば「過労死基準」の残業時間の目安は、
2ヶ月平均で月80時間超と言われています。
年間の残業(960時間)だけを管理していると、
月間の「過労死基準」を超えることがあるので注意が必要です。
休憩時間の確保や健康診断未受診にも注意
冒頭の「安全配慮義務」の範囲は広く、
法令では次のように定められています。
「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」
(労働契約法第5条)
例えば、残業時間を基準内に収めても、
「休憩時間」がまったく取れない場合は問題になる可能性があります。
他にも「健康診断受診」に関しては年々、厳しくなっています。
2021年4月からは未受診者が健康起因事故を起こすと、
初違反では40日の車両停止。
再違反になると80日の車両停止の行政処分になります。
(詳しくはこちらhttps://app-logi.co.jp/column/news/3901/)
運送業の2024年問題では、
「残業時間」に焦点があたっていますが、
運送業ではそれ以外の管理も同じように重要です。
まずは「健康診断」「適正診断」「一般指導」など、
年内に受診等が必要なものに抜け漏れがないか、
確認してみてください。