コラム

運送業の2024年問題|第8回:改善基準告示の改正

2022年に「改善基準告示」が改正される予定です。

 

運送業のドライバーの労働時間の基準を定めた「改善基準告示」ですが、

改正に向けての議論が本格化しています。

 

現在の基準では拘束時間は1日原則13時間や、

休息期間は原則8時間以上などが基準になっていますが、

この基準を改正していくというものです。

 

というのも、

ご存知の通り2024年4月に運送業のドライバーにも、

「時間外労働の上限規制」の適用が開始されます。

月平均80時間の残業で年間960時間が上限になるのですが、

働き方によっては今の改善基準告示の基準をクリアしても

時間外労働の上限を超えるケースがあるためです。

 

今年の10月29日に厚生労働省で行われた分科会では、

「休日労働を年間労働時間に含めるか否か」や、

「休息期間の見直し」などが議論されたそうです。

 

予定では、

2022年(12月)に改善基準告示が改正され、

2023年から準備期間(周知期間)になると言われています。

 

 

年間200時間超の拘束時間削減の可能性も。

 

改善基準告示の改正で一番のポイントは、

「拘束時間」の基準になっているようです。

拘束時間が長くなれば当然、残業時間も長くなるのですが、

何時間にするか?一番議論されています。

 

1つの案として出ているのが、

現状の「年間3,516時間」の拘束時間の上限を、

改正で「年間3,300時間」にするという案です。

年間で現状から200時間超を削減することになります。

 

拘束時間が削減されると一方で「休息期間」が長くなります。

現状は「原則8時間以上」ですが、

こちらも「原則11時間以上」にする意見も出ています。

 

 

2024年4月からの適用される「時間外労働の上限規制」は、

「月平均80時間の残業」がポイントになってきます。

 

改善基準告示はその前に改正される予定ですが、

まずできることはこの「月80時間残業」の基準を、

何人超えているか?何時間超えているか?把握することです。

把握することで自社ドライバーの今後の働き方を、

考えることにつながっていきます。

 

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