コラム

運送業の2024年問題|第5回:未払い残業訴訟(時効延長)

2022年4月から「過去3年分」の残業代訴訟が可能になります。

 

一般的な業種には既に適用されている「残業時間の上限規制」ですが、

2024年4月から運送業にも適用が開始されます。

 

「あと3年あるからそのときに対応しよう」

と思われている方、ちょっと待ってください。

運送業にとって重要な法改正が2020年に行われています。

 

「未払い残業代訴訟」の時効延長です。

 

未払い残業代(賃金)がある場合に労働者は、

過去に遡って請求することができます。

2020年4月までは残業代請求の時効は「2年」でしたが、

民法改正を受けて2020年4月からは「3年」に延長されました。

 

実際に3年分の請求が可能になるのは、

「2022年4月以降」ですが、

「2020年4月以降」の賃金から3年分の請求対象になります。

 

もし2022年4月以降に訴訟が起きた場合、

今の残業代が(2020年4月以降)を対象とされる可能性があります。

 

 

未払い残業代訴訟(時効)はいずれ5年になる。

 

実は、この未払い残業代訴訟(時効)は、

検討段階では「5年」で話が進んでいたそうです。

・労働者側は「5年」を主張。

・経営者側は「2年」を主張。

その結果、間を取って「3年」という対応を国は行っています。

 

ただこの3年は「経過措置」の対応になっていて、

「未払い等の請求期間は当面の間は3年」

「施行5年経過後の状況を勘案して検討する」

と発表されています。

いずれ5年になると思っていた方がいいでしょう。

 

残業代訴訟の時効は2年から3年に延長され、

既に3年の対象期間に入っています。

今後は5年に延長されることを考えると、

今から対策しても決して早くはありません。

 

こちらのコラムhttps://app-logi.co.jp/column/2024/5876/でも紹介してますが、

荷主への相談・交渉を準備している会社もありますので、

参考にしてみてください。

 

 

厚生労働省|労働基準法の一部を改正する法律案の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/000591650.pdf

 

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