残業は年間960時間が上限。1ヶ月平均では80時間が目安。
運送業の2024年問題と聞いて、
一番の気がかりは「時間外労働の上限規制」ではないでしょうか。
2019年に施行された「時間外労働の上限規制」の適用を除外されている運送業にも、
2024年から適用されるというものです。適用されると、
時間外労働(残業)の上限を年間960時間以内に収める必要があります。
1ヶ月では80時間が残業時間の目安になります。
現時点では1ヶ月間の上限規制はなく、
例えば、1月は残業90時間で2月は残業70時間のように、
他の月で調整して年間960時間を超えなければよいとされています。
「今月はあと何時間残業ができるか?」
「来月の残業は何時間に押さえる必要があるか?」
など、月末や年末での残業時間の予測管理が重要になってきます。
もし、960時間の上限を超えたらどうなるか?
2024年4月以降は「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が、
適用されるおそれがあります。
荷主企業と早めの相談・協力依頼を。
猶予期間の2024年までの間に運送会社では、
「残業時間削減」
「給与体系の見直し」
「車両台数・ドライバー人数の適正化」
などの様々な対応を考えなければいけません。
ただ、運送会社の運営だけで対応するには限界があります。
納品時間の変更や高速代の負担などは、
「荷主企業」への相談や協力が不可欠です。
ある運送会社では来年(2022年)に荷主へ相談するために、
今年(2021年)から正確な積込・納品・待機時間の収集に、
取り組み出した会社もあります。
2024年になってトラック不足や運賃交渉が発生する前に、
運送会社も荷主企業も双方が早めに相談・協力依頼して、
「運送業の2024年問題」に取り組む必要があります。