コラム

運送業(トラック運転手)の2024年問題とは?

時間外労働(残業)の上限が「年間960時間」になります

 

運送業(トラック運転手)の2024年問題とは、

これまで上限が設けられていなかった時間外労働(残業時間)に、

年間の上限時間が設けられ今までのように長時間働けなくなる事です。

 

2020年4月から始まった「働き方改革」の関連法案で、

運送業以外の業種では既に時間外労働が上限が適用されています。

運送業(トラック運転手)は特別に猶予されていますが、

2024年4月から時間外労働の上限「年間960時間」が適用されます。

 

今まで(改正前)は法令上の上限や罰則がありませんでしたが、

改正後は法令上の「罰則付き上限」が適用されます。

違反すると「6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰⾦」が、

科されることになります。

 

厚生労働省|時間外労働の上限規制 https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

 

1日の残業時間の目安は「約3時間」

 

実際に運送業のドライバーに適用された場合、

どれくらい残業が可能なのか?計算してみました。

 

年間960時間を12ヶ月で割ると「月80時間」。

月間の稼働日数が25日だった場合、

1日の残業時間は「約3時間」となります。

 

・法定労働時間:8時間

・休憩時間  :1時間

・残業時間  :3時間

を足すと1日の拘束時間は12時間になり、

改善基準告示の1日の拘束時間の限度:13時間を下回ります。

 

今まで通りに13時間の「拘束時間」を目安に管理していると、

残業時間の上限を超える可能性があるので注意が必要です。

 

 

月60時間を超える残業は「割増賃金率50%」

 

2024年問題の前年、

2023年にもう1つ重要な法改正をご存知でしょうか?

「割増賃金率」の引き上げの適用です。

 

残業時間には25%の割増率が適用されていますが、

60時間を超える残業時間の割増率が50%になります。

大企業では既に適用されていて、

2023年4月から中小企業へも適用が開始されます。

 

さらに、

この割増率の適用は深夜割増とダブルで適用されます。

60時間超えの残業が深夜時間帯だった場合は、

60時間超の割増(50%)+深夜割増(25%)=75%の割増率が適用されます。

 

厚生労働省|法定割増賃金率の引上げ

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/091214-1_03.pdf

 

2024年問題は運送会社にとって重要な問題ですが、

運送会社だけで解決できる問題ではありません。

配送ルールの見直しや納品時間の変更、

運賃のことなど「荷主企業」の協力が不可欠です。

 

 

弊社代表も「運送業の2024年問題」についてコラムを寄稿しています。

大塚商会(IT&ビジネスコラム)|第1回 運送業の2024年問題について考える

https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/logistics-dx/transportation-problem2024.html

 

 

 

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