コラム

運送業の2024年問題|第3回:年間拘束時間の限度(3,516時間)

3,516時間の限度は「労働時間」ではありません。

 

運送業のドライバーは労働基準法とは別に、

改善基準告示で働く時間の限度が決められています。

「拘束時間」がそのひとつです。

 

運送業のドライバーはこの「拘束時間」が、

「1日」「月間」「年間」で限度が決まっています。

・1日=原則13時間

・月間=原則293時間

・年間=3,516時間

(年間3,516時間=月間293時間×12ヶ月)

 

拘束時間はこちらのコラム(月間拘束時間の限度)でも解説していますが、

始業時刻〜終業時刻のすべての時間です。

休憩時間も含まれています。

 

拘束時間から休憩時間を引くと「労働時間」になるのですが、

年間3,516時間の限度は「労働時間」ではありません。

年間の拘束時間を管理するときは、

始業時刻から終業時刻の「拘束時間」であることに注意してください。

 

 

拘束時間を「月間」の上限まで働くと「年間」で違反する。

 

1ヶ月の拘束時間の限度は、

・原則293時間

・1年で6ヶ月まで320時間まで延長できる

と改善基準告示によって決められています。

 

仮に、この月間の上限いっぱいまで働くと・・・

① 293時間✕6ヶ月=1,758時間

② 320時間✕6ヶ月=1,920時間

①+②=合計3,678時間となって、

1年間の限度(3,516時間)を162時間も超過してしまいます。

 

月間の上限時間だけを管理している会社は、

年間の限度(3,516時間)の管理項目を追加しましょう。

 

 

2024年には運送業のドライバーにも、

残業時間に年間960時間の上限が設けられます。

拘束時間の年間管理に加えて「年間の残業時間」も管理しておけば、

今のうちからどの程度の残業時間の削減が必要か把握することができます。

 

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