前回は、「売上が増えるほど利益が減る会社の共通点」について整理しました。

→ https://app-logi.co.jp/column/keiei_kanri/8120/

売上は伸びているのに資金が残らない、忙しくなっているのに利益が出ない、こうした状態は、珍しい話ではありません。では逆に、利益がしっかり残る会社は何を見ているのか。今回はその違いを整理したいと思います。

■ 利益が出ない会社は「売上」だけを見ている

まず前提として、利益が出ない会社ほどシンプルにこうなっています。
売上=正義
台数=評価
稼働率=重要指標
もちろん、どれも大事です。ただし問題は、それだけで判断していることです。
例えば、
・ 低単価の案件でも「空車よりマシ」と受ける
・ 長時間拘束でも「売上が立つからOK」とする
・ 無理な配車でも「台数が埋まるから良い」と判断する
結果として何が起きるか。
・ 売上は増える
・ しかしコストはそれ以上に増える
これが第1回で触れた構造です。

■ 利益が残る会社は「1運行あたりの粗利」を見ている

一方で、利益が出る会社は見ているポイントが違います。結論から言うと、「1運行ごとの粗利」を必ず見ています。シンプルに言い換えるとこうです。
この仕事はいくら売上になるか?
ではなく
この仕事でいくら“残る”のか?
ここに視点があります。

■ シンプルな1運行の見方

1つの運行をざっくり分解するとこうなります。
① 売上
② 燃料費
③ 高速代
④ 人件費(時間)
⑤ 車両コスト(ざっくりでもOK)
これを引き算すると、「この運行でざっくりいくら残ったか」 が見えます。

■ 「儲からない仕事」を見抜けるかが分かれ道

この視点を持つと、判断が変わります。例えば同じ売上でも、
ケースA
売上:50,000円
所要時間:5時間
粗利:そこそこ残る
ケースB
売上:50,000円
所要時間:10時間
粗利:ほぼ残らない
売上は同じでも、価値は全く違います。しかし、売上だけを見ていると両方「良い仕事」に見えてしまいます。これが怖いところです。

■利益が残る会社は「やらない仕事」を決めている

もう一つ大きな違いがあります。それはやらない仕事を決めていることです。
・ 単価が一定以下の仕事は受けない
・ 長時間拘束の案件は見直す
・ 非効率なルートは改善する
こうした判断ができるのは、1運行ごとの利益が見えているからです。逆に言うと、見えていない会社は「全部受ける」しかなくなるということになります。

 

■現場でよくあるズレ

現場のリアルなズレも触れておきます。よくあるのが、
・ 配車は「回すこと」が評価される
・ ドライバーは「件数」が評価される
・ 営業は「売上」が評価される
つまり、全員が“売上を増やす方向”にしか動いていないことになり、この状態だと、利益が残る構造にはなりません。
利益が出る会社と出ない会社の違いは、業種を問わず特別な考えではありません。見ているポイントが違います。
売上を見る会社 → 忙しくなるほど苦しくなる
1運行の粗利を見る会社 → 無理なく利益が残る
ということになっていることが多いようです。

 

こちらでもこの記事を掲載しています。

大塚商会:第114回 運送業の「利益の見方」を変える~利益が残る会社は「売上」ではなく何を見ているのか~

https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/logistics-dx/profitable-company.html