貨物運送事業では、営業所ごとに保有台数に応じた人数の運行管理者を選任することが法律で義務づけられています。「何台で何人必要か」「トレーラーは数えるのか」「補助者は何ができるのか」は、運行管理者試験でも実務でも頻出のポイントです。本記事では、必要人数の計算式と台数別の早見表、統括運行管理者・運行管理補助者の役割までを整理します。

選任義務 早見表(貨物・営業所ごと)
選任の単位 営業所ごと(貨物軽自動車運送事業を除く)
計算式 事業用自動車数 ÷ 30 + 1(小数点以下切り捨て)
数えない車両 被けん引車(トレーラー)は台数に含めない
29両まで 1名以上
30〜59両 2名以上(以降30両ごとに+1名)
複数選任時 統括運行管理者を選任する
補助者の点呼 運行管理者が総回数の3分の1以上を実施(補助者は3分の2まで)

この記事のポイント

  • 運行管理者は営業所ごとに選任が必要。複数営業所を1人で兼務することはできません。
  • 必要人数は「事業用自動車数 ÷ 30 + 1(小数点以下切り捨て)」で計算します。
  • 計算に数える車両は緑ナンバーの原動機付き車両のみ。トレーラー(被けん引車)は含めません
  • 1営業所で複数の運行管理者を選任する場合は、統括運行管理者を選びます。
  • 運行管理補助者は基礎講習修了者などから選任でき、点呼の一部を担えますが、運行管理者が総回数の3分の1以上を自ら行う必要があります。

01運行管理者の選任義務とは

貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除く)は、輸送の安全を確保するため、事業活動の単位である営業所ごとに、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから運行管理者を選任しなければなりません。資格を持っているだけでは足りず、事業者による「選任」と行政への届出があってはじめて運行管理者として業務を行えます。

営業所ごとが原則選任は営業所単位です。たとえば2つの営業所があり、それぞれ10両ずつ保有している場合でも、各営業所に1名ずつ選任が必要です。1人の運行管理者が複数営業所を兼務することは、原則としてできません。

02必要人数の計算式と台数別早見表

選任すべき運行管理者の最低人数は、次の計算式で求めます。割り算の答えの小数点以下は切り捨てます。

計算式運行管理者の最低人数 =(事業用自動車の数 ÷ 30)の小数点以下を切り捨て + 1

この式を台数ごとに当てはめると、次のようになります。30両増えるごとに1名ずつ増えていきます。

事業用自動車の数 必要な運行管理者数
1〜29両 1名
30〜59両 2名
60〜89両 3名
90〜119両 4名
120〜149両 5名
以降30両ごとに 1名ずつ追加
数える車両・数えない車両台数に数えるのは、緑ナンバーの原動機(エンジン)が付いた事業用自動車です。被けん引車(トレーラー)は台数に含めません。試験ではこの「トレーラーを含めるか」がひっかけとして問われます。

03統括運行管理者(複数選任する場合)

1つの営業所で複数の運行管理者を選任する場合、事業者はそれらを統括する者として統括運行管理者を選任しなければなりません。複数人が分担して業務を行う際に、責任の所在と指揮命令系統を明確にするための仕組みです。

組織のイメージとしては、営業所長の下に統括運行管理者がいて、その下に運行管理者・補助者・運転者が連なる形になります。

04運行管理補助者の役割と点呼の3分の1ルール

運行管理者の業務を補助させるため、事業者は運行管理補助者を選任できます。補助者は運行管理者の負担を軽減する重要な存在ですが、できる業務には制限があります。

補助者になれる人

補助者に選任できるのは、運行管理者等基礎講習を修了した者、または運行管理者資格者証を持つ者です。誰でもなれるわけではない点に注意が必要です。

点呼は「3分の1ルール」

補助者は点呼の一部を担えますが、無制限ではありません。当該営業所で選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼の総回数の少なくとも3分の1以上でなければならないと定められています。裏を返すと、補助者が行える点呼は総回数の3分の2まで、ということです。これは回数で考えるため、たとえば「乗務前点呼は運行管理者、乗務後点呼は補助者」といった分担も可能です。

補助者ができないこと補助者が単独で行えるのは点呼の一部などに限られます。運行指示書の作成、運転者の指導監督、乗務割の作成といった運行管理者本来の業務を単独で行うことはできません。最終的な運行管理の責任は、選任された運行管理者が負います。

05試験・実務での注意点

運行管理者試験では、計算式(÷30+1)、トレーラーを数えないこと、営業所ごとに選任すること、統括運行管理者・補助者の要件が問われます。数値と「単位(営業所ごと/総回数)」をセットで覚えるのが得点のコツです。

実務面では、退職・休職・死亡などで運行管理者が最低人数を下回ると、選任義務違反として行政処分の対象になり得ます。欠員リスクに備え、補助者の育成や複数名体制を前もって整えておくことが重要です。

06よくある質問

運行管理者は何台から必要ですか?

貨物運送事業では、営業所ごとに事業用自動車を保有していれば運行管理者の選任が必要で、29両までは1名以上です。台数が増えると「事業用自動車数÷30+1(小数点以下切り捨て)」で必要人数が増えます。

トレーラー(被けん引車)は台数に数えますか?

数えません。必要人数の計算に含めるのは緑ナンバーの原動機付き事業用自動車で、被けん引車は台数に含めません。

1人の運行管理者が複数の営業所を兼務できますか?

原則としてできません。運行管理者は営業所ごとに選任する必要があり、専従が前提です(IT点呼など一部の例外的な取扱いを除く)。

運行管理補助者は点呼を全部やってもいいですか?

できません。運行管理者が点呼の総回数の少なくとも3分の1以上を自ら行う必要があり、補助者が行えるのは総回数の3分の2までです。

補助者になるには資格が必要ですか?

必要です。運行管理者等基礎講習を修了しているか、運行管理者資格者証を持っていることが条件です。

主な出典・参考

本記事は上記の公開情報をもとに編集部が整理したものです。日程・手数料・制度は改定される場合があるため、申込み前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。