運行管理者試験(旅客)は、バス・タクシーなど人を運ぶ事業の運行管理者を目指す人のための試験です。貨物試験と約8割は共通ですが、出題される法令が一部異なります。本記事では、貨物との違いを中心に、旅客特有の出題分野・合格率・学習ポイントを整理します。試験全体の概要(日程・申込み・CBTの流れなど)は貨物版のガイドと共通のため、必要に応じてそちらも参照してください。

試験データ早見表(旅客)
対象事業 バス・タクシーなど人を運ぶ旅客自動車運送事業
出題数 30問(5分野・貨物と同数)
最多出題分野 道路運送法 関係(8問)(貨物は貨物自動車運送事業法)
合格基準 総得点の60%(18問)以上+分野別の最低正解数(貨物と共通)
合格率 近年30〜40%台(令和7年度第1回は約34%)
受験資格 実務経験1年以上 または 基礎講習修了(貨物と共通)
受験手数料 6,000円(非課税)+システム利用料660円(貨物と共通)

この記事のポイント

  • 旅客はバス・タクシーなど人を運ぶ事業向け。トラック運送業の貨物とは受験区分が異なります。
  • 最大の違いは出題分野。貨物の「貨物自動車運送事業法」に対し、旅客は道路運送法 関係が8問と最多です。
  • 受験資格・試験日程・CBT・受験手数料・合格基準・合格後の手続きは貨物と共通です。
  • 同一回の試験では貨物・旅客あわせて一人1区分のみ。両方取得するなら別の回で受験します。
  • 労働基準法分野の改善基準告示は、旅客ではバス運転者向けの基準が出題対象になり、貨物と数値が一部異なります。

01旅客試験とは(貨物との違い)

運行管理者試験には「貨物」と「旅客」の2区分があり、旅客はバス・タクシーなど人を運ぶ旅客自動車運送事業の運行管理者を目指す人が受験します。トラックによる物流を担う事業は貨物を受験します。

両者は出題内容の約8割が共通で、試験の形式や合格基準も同じです。違いは主に問われる法令にあります。貨物が「貨物自動車運送事業法」を中心に問うのに対し、旅客は「道路運送法」と旅客自動車運送事業運輸規則を中心に問われます。

同時受験はできません同一回の試験では、貨物・旅客を含めて一人1区分のみの申込みです。両方の資格が必要な場合は、別々の回(例年8月と3月)で1区分ずつ受験します。

02出題内容と5分野の配点(旅客)

旅客試験も5分野・全30問です。貨物との違いは(1)の法令で、旅客では道路運送法 関係が8問と最多になります。(2)〜(5)は貨物と共通です。

分野 出題数 貨物との違い
(1) 道路運送法 関係 8問 貨物は「貨物自動車運送事業法」
(2) 道路運送車両法 関係 4問 共通
(3) 道路交通法 関係 5問 共通
(4) 労働基準法 関係 6問 改善基準はバス運転者向け
(5) 実務上の知識・能力 7問 旅客の視点で出題
合計 30問

03貨物と共通の項目(概要)

次の項目は貨物試験と共通です。詳しい内容は貨物版の対策ガイドにまとめているため、ここでは要点のみ示します。

  • 受験資格:運行管理の実務経験1年以上、または受験区分(旅客)に対応した基礎講習の修了(修了予定でも可)。
  • 試験日程:年2回(8月頃・3月頃)、CBT方式。申込みは試験日の約2か月前に締め切られます。
  • 受験手数料:6,000円(非課税)+システム利用料660円(税込)。
  • 合格基準:総得点の60%(18問)以上、かつ(1)〜(4)で各1問以上・(5)で2問以上。
  • 合格後の手続き:合格日から3か月以内に資格者証の交付申請(2026年4月からe-Govオンライン申請に対応)。

04旅客試験の合格率と難易度

旅客試験の合格率も、貨物と同様に近年は30〜40%台で推移しています。直近の令和7年度第1回(2025年8月実施)は約34%でした。貨物と旅客で難易度に大きな差はなく、回によって多少前後する程度です。

なお受験者数は貨物のほうが圧倒的に多く、旅客は受験者数が少ない区分です。対策教材も貨物に比べると選択肢が限られるため、過去問と公式情報を軸に学習を進めるのが現実的です。

05旅客特有の学習ポイント

道路運送法・旅客運輸規則を押さえる

旅客で最多配点の道路運送法 関係(8問)は、旅客自動車運送事業の許可・安全確保義務・運行管理者の選任などが中心です。あわせて旅客自動車運送事業運輸規則の内容も問われます。貨物の事業法と構造は似ていますが、用語や対象が異なるため、貨物のテキストで代用せず旅客用の教材で学習してください。

改善基準告示はバス運転者向けで覚える

労働基準法分野の改善基準告示は、旅客ではバス運転者向けの基準が出題対象です。拘束時間や運転時間の考え方はトラックと共通する部分が多いものの、数値が一部異なります。トラック向けの数値をそのまま当てはめると誤答につながるため、区分に対応した基準で覚えることが重要です。

06よくある質問

旅客試験と貨物試験はどちらが難しいですか?

合格率はどちらも近年30〜40%台で、難易度に大きな差はありません。回によって多少前後する程度です。受験する事業の区分(人を運ぶか、貨物を運ぶか)に合わせて選びます。

貨物と旅客の一番大きな違いは何ですか?

出題される法令です。最多配点の分野が、貨物は貨物自動車運送事業法(8問)、旅客は道路運送法(8問)になります。その他の分野や試験形式、合格基準は共通です。

貨物の資格を持っていれば旅客は免除されますか?

免除されません。貨物と旅客は別区分のため、旅客の運行管理者になるには旅客試験に合格(または所定の手続き)が必要です。両方取得する場合は別々の回で受験します。

旅客の受験資格は貨物と違いますか?

基本的に共通で、運行管理の実務経験1年以上、または基礎講習の修了が必要です。ただし基礎講習は受験する区分に対応したものである必要があり、旅客の受験には旅客の基礎講習が必要です。

主な出典・参考

本記事は上記の公開情報をもとに編集部が整理したものです。日程・手数料・制度は改定される場合があるため、申込み前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。