運行管理者に関わる講習には「基礎講習」「一般講習」「特別講習」の3種類があります。基礎講習は受験資格や補助者の要件にも関わる重要な講習で、一般講習は選任後に受講義務があります。本記事では、それぞれの時間・目的・受講義務を整理し、試験の受験資格との関係まで解説します。
| 講習の種類 | 基礎講習・一般講習・特別講習の3種類 |
|---|---|
| 基礎講習 | 3日間(約16時間)。受験資格・補助者要件を満たせる |
| 一般講習 | 1日(約5時間)。選任後は2年度に1回の受講義務 |
| 新たに選任された者 | 選任届出をした年度内に受講(基礎未受講なら基礎) |
| 特別講習 | 重大事故・行政処分を受けた営業所が対象 |
| 受講料の目安 | 基礎 約8,900〜12,800円/一般 約3,000〜5,000円(機関で異なる) |
| 実施機関 | NASVAなど国土交通大臣の認定機関 |
この記事のポイント
- 運行管理者の講習は基礎・一般・特別の3種類。目的と受講義務がそれぞれ異なります。
- 基礎講習(3日間・約16時間)は、受験資格の「実務経験1年」に代えられ、補助者の選任要件も満たします。
- 一般講習(1日・約5時間)は、選任された運行管理者に2年度に1回の受講義務があります。
- 新たに選任された運行管理者は、選任届出をした年度内に受講が必要(基礎講習が未了なら基礎講習)。
- 受講通知は廃止されており、受講履歴は事業者・本人が自己管理。受講漏れは行政処分の対象になり得ます。
01運行管理者の講習は3種類
運行管理者に関わる指導講習は、目的別に基礎講習・一般講習・特別講習の3つに分かれます。まず全体像を押さえましょう。
| 講習 | 時間の目安 | 主な対象・目的 |
|---|---|---|
| 基礎講習 | 3日間(約16時間) | 新たに運行管理者・補助者になる人。受験資格にも代替可 |
| 一般講習 | 1日(約5時間) | 選任済みの運行管理者。最新の法令・知識の更新(2年度に1回) |
| 特別講習 | — | 重大事故・行政処分を受けた営業所の運行管理者 |
いずれもNASVA(自動車事故対策機構)など、国土交通大臣の認定を受けた機関が実施します。
02基礎講習(3日間・約16時間)
基礎講習は、これから運行管理者や補助者になる人が、運行管理に必要な法令・業務・事故防止などの基礎を学ぶ講習です。3日間・約16時間で行われ、修了が必要です。受講料は機関によって異なり、おおむね8,900〜12,800円程度(テキスト代等を含む)が目安です。
基礎講習が重要なのは、修了することで次の効果が得られるためです。
- 受験資格の代替:運行管理者試験の受験資格である「運行管理に関する実務経験1年以上」に代えることができます。実務経験が足りない人の主要ルートです。
- 補助者の選任要件:基礎講習を修了すると、運行管理補助者に選任できるようになります。
- 新規選任後の受講義務:新たに運行管理者に選任され、過去に基礎講習を受けていない人は、選任届出をした年度内に基礎講習を受講する必要があります。
03一般講習(1日・約5時間/2年度に1回)
一般講習は、すでに選任されている運行管理者が、最新の法令や知識を更新するために受講する講習です。1日・約5時間で、受講料は3,000〜5,000円程度が目安です。
選任された運行管理者には受講義務があり、頻度は2年度に1回です。ここで注意したいのは「2年に1回」ではなく「2年度に1回」という点。年度(4月〜翌3月)で数えるため、最後に受講した日が属する年度の翌年度の末日までに次の受講を済ませる必要があります。
04特別講習(事故・行政処分を受けた場合)
特別講習は、重大な事故を起こしたり、行政処分を受けたりした営業所の運行管理者が、運輸局からの通知に基づいて受講する講習です。再発防止に向けた内容が中心になります。
特別講習の対象となった営業所の運行管理者は、その後一般講習を2年連続で受講しなければならない点にも注意が必要です。
05受験資格との関係(基礎講習ルート)
運行管理者試験の受験資格は「運行管理の実務経験1年以上」または「基礎講習の修了」のいずれかです。実務経験が足りない人にとって、基礎講習は受験への現実的な入口になります。
申込み時点で基礎講習が未了でも、所定の期限までに修了し、修了証などを提出できれば「修了予定」として申請できる場合があります。なお、基礎講習は受験する区分に対応したもの(貨物の受験には貨物の基礎講習)が必要です。
06受講漏れに注意(通知の廃止・自己管理)
かつては講習の受講通知が送られていましたが、平成24年4月から廃止されました。現在は、事業者と運行管理者本人が受講履歴を把握・管理する必要があります。
一般講習の受講漏れは、巡回指導や監査で指摘され、行政処分の対象になり得ます。受講サイクル(2年度に1回)を社内で管理し、忘れずに受講することが重要です。
07よくある質問
基礎講習と一般講習の違いは何ですか?
基礎講習は新たに運行管理者・補助者になる人向けの3日間(約16時間)の講習で、受験資格や補助者要件も満たせます。一般講習は選任済みの運行管理者が最新知識を更新するための1日(約5時間)の講習で、2年度に1回の受講義務があります。
一般講習は何年に1回受ければよいですか?
2年度に1回です。「2年に1回」ではなく年度(4月〜翌3月)で数えるため、最後に受講した日が属する年度の翌年度の末日までに次を受講します。
基礎講習を受ければ実務経験がなくても受験できますか?
できます。基礎講習の修了は、受験資格の「実務経験1年以上」に代えることができます。修了予定の状態でも、期限までに修了証などを提出できれば申請可能な場合があります。
運行管理補助者になるにも講習は必要ですか?
必要です。補助者に選任されるには、運行管理者等基礎講習を修了しているか、運行管理者資格者証を持っていることが条件です。
講習を受け忘れるとどうなりますか?
受講通知は廃止されているため自己管理が必要です。一般講習の受講漏れは監査などで指摘され、行政処分の対象になり得ます。
主な出典・参考
- 国土交通省 貨物自動車運送事業輸送安全規則/旅客自動車運送事業運輸規則(同 解釈及び運用について)
- NASVA(独立行政法人 自動車事故対策機構)運行管理者等指導講習
- 公益財団法人 運行管理者試験センター
本記事は上記の公開情報をもとに編集部が整理したものです。日程・手数料・制度は改定される場合があるため、申込み前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。