前回のコラムでは、運送業の「安全教育DX」と命名し、運送業が実施しなければならない法定12項目研修に理解を深めました。この研修は「やったほうがよい」ことではなく、「やらなければならないこと」であるため、規模の大小にかかわらず、しっかりと行われている感想をもっています。しかし全国各地で各々の運行を行っているドライバーを一同に集めて教育を行うのは、なかなか大変なことです。安全教育の質を落とさずに、いかに効率的に教育を実施できるかがポイントになりそうです。
https://app-logi.co.jp/column/?p=7922&preview=true
今回のコラムは、これに関連して効率的なeラーニングの実施方法をお伝えしたいと思います。

eラーニングとは
eラーニングとは、インターネットを利用したオンライン学習のことです。パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスを使って学習を行います。オンラインで研修を受講で、多数の社員の同時教育や研修などへの活用が可能であるため、一同に集合させにくい運送業のドライバーにはもってこいの研修方法です。学習の場所や時間を選ばないことも、教育の効率を高められます。
ドライバーから見たeラーニングのメリット・デメリット
eラーニング導入にはさまざまなメリットがある反面、デメリットもあります。受講者(ドライバー)・管理者(事務所)にとってどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
【メリット】
・いつでも好きな場所で学習できる
・繰り返し学習できる
【デメリット】
・オンライン環境(スマホやPC、タブレットとネットワーク環境)が必要
・社員同士のコミュニケーションができない
・講師へのリアルタイムでの質問ができない
などがあります。
インターネットにつながる環境さえあれば、スマホでも学習できることが大きな魅力です。何度でも視聴できる点もメリットです。理解できるまで何度でも学習できますから、分からない部分をそのままにしておくことがなくなります。
一方、eラーニングならではのデメリットもあります。安全運転講習は座学の内容だけではなく、多くの体験談を伝えることが効果的であるということ、また受講者同士や講師とのコミュニケーションが取れない点もデメリットといえます。特に疑問をその場で質問できない点は、学習が記憶に残らなくなるおそれがあります。
管理者視点から見たeラーニングメリット・デメリット
eラーニングは管理者にとって、研修コストを削減しつつ毎回同等の品質のカリキュラムを提供できる方法です。通常、集合研修を行うには講師の依頼料や交通費、研修会場の費用、その他諸経費が必要になります。しかしeラーニングなら集合研修に比べて大幅に安く済みます。全ドライバーを対象に、平等に学びの機会を与えられる点もメリットです。管理者が学習状況を管理しやすく、まだ受講できていないドライバー一人ひとりへのフォローアップもしやすくなります。
eラーニングで安全研修を行うには
自社でeラーニングができる方法を構築する方法と、すでに市場に提供されているサービスを利用する方法とがあります。
後者の方では、日本貨物運送協同組合連合会が提供されているトラックドライバー学習支援サービスなどがあります。
https://nikka-net.or.jp/other-businesses/driver-learning-support/
自社で行うためには自前で動画を作成し、ドライバーへ展開する方法を構築する必要があります。これは次回のコラムで詳しくご説明させていただきます。
まとめ
時間が確保しにくいドライバー安全講習に、eラーニングの実施は非常に合理的かつ現実的な方法です。ただリアルに実施する研修では、実際に起った事故、それに関連してどのようなことが起きてしまったかなど、講師の経験談や、臨場感あふれる体験談などを伝え、講師がドライバーに伝えるということも行われています。すべてのドライバーに対して一同に研修が行えるのであればリアル研修に勝るものはありませんね。
こちらでもこの記事を掲載しています。
大塚商会:運輸・配送にかかわる企業が取り組むべきDXの具体策 第80回
https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/logistics-dx/safety-training-dx2.html
